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遺言書がトラブルの原因に

遺言書がきちんと残されていても、書かれていた内容によっては相続トラブルになってしまう事例を紹介します。

遺言書があるとなしではどう違う?

親が亡くなって相続が生じた場合、遺言書の有無によってどのような違いがあるのでしょうか。

遺言書が作成されていない場合、相続人全員による遺産分割協議を行う必要があります。ここで揉めてしまうと相続税申告に間に合わず、小規模宅地の特例の適用ができなかったり、不動産の売却ができなかったりして、不都合が生じ、さらに親族間の雰囲気が悪化することもあるでしょう。遺産分割協議は全員の合意が原則なので、1人でも反対者がいれば何も決めることができません。

一方、遺言書があり、相続させる人間と資産が特定されている場合は、協議の必要なく分割が決定します。このように、相続トラブルを回避するために遺言書は有効といえるでしょう。ただし、遺言書の書き方や残し方を間違えると、逆に大きなトラブルを招いてしまうリスクがあります。

遺言書があるからといって円満な相続ができるとは限らない

長男、次男、長女の3人が母親が亡くなったことで相続をすることになった事例です。

母親の保有していた財産は200坪の土地とそこに建てられた古い自宅、そして流動資産のみ。母親は生前に遺言書を作成しており、そこには「全ての財産を長男に相続させる」と書かれてありました。

この一文以外には何も書かれておらず、長女はこの相続に納得できないため弁護士を介して長男に遺留分を請求。長男は兄妹間のトラブルを回避するために請求通りの遺留分を金銭で清算することとしました。

これで事は収まったかのように思えましたが、長女である妹からは再三にわたって「財産の3分の1を相続する権利がある」と主張されるようになったのです。

遺言書を残したのになぜトラブルが生じたのか

母親が遺言書を残したことが問題ではなく、その内容に配慮が足りなかったためにトラブルが生じたと考えられます。

民法では、相続人は最低限相続できる遺留分があることを認めています。今回の事例では長女は母親の財産の6分の1(法定相続分3分の1×遺留分2分の1)を相続する権利があります。母親が、遺言書に遺留分について長女へ引き継ぐ財産を明らかにしておけば、トラブルが生じなかった可能性もあるでしょう。

ただし、誰が晩年まで母親の世話に寄与していたか、遺留分の額が相続財産評価なのか時価なのか、などによっても感情論になりトラブルが激化する可能性があるため、遺留分を明確にしていても問題が生じる場合もあります。

トラブルにならない遺言書作成のポイントとは

遺産相続では遺言書で法定相続分とは別の分割方法を指定できることで、トラブルが生じやすくなっていると言えます。

被相続人が遺言書に特定の人物に相続を指名し、誰かの遺留分を侵害するような内容になっていたとしたら遺産分割時のトラブルは避けられないこともあるでしょう。したがって、遺言書を作成する際には、トラブルを回避するために次の3つのポイントを押さえておくことが大切です。

  1. 誰にいくらの遺留分が発生するのか、名前と額を正確に把握しておくこと。
  2. 遺留分に配慮した遺言内容(他の相続人の遺留分を侵害しない)にすること。
  3. 【付言事項】に相続人に対する感謝の気持ちや自分の思いを書き残しておくこと。

遺言書を残したからといって必ずしも円満な遺産分割相続ができるとは限りませんが、自分の思いや願いを次の世代に伝え、託すうえでは有効な手段といえます。

今後は家族信託などの活用の可能性もあるため、特に不動産が多い人は生前に不動産、法律、税務それぞれに強い専門家に相談しておくことが大切です。