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二世帯住宅でまさかの争い

老後のために娘世帯と一緒に住む二世帯住宅建築の計画を立てたことで相続が思わぬ争族に発展しまう可能性がある事例を紹介します。

相続問題は資産家に限ったものではない

相続問題、相続対策というと潤沢な財産を所有する資産家が考えるものだというイメージがあります。

しかし、実際の相続問題は富裕層に関わらず、一定の年齢になれば誰しも必ずぶつかる壁です。一般的な暮らしを送るなかで、親の老後のことを考慮して計画する二世帯住宅でも相続の問題は大きな影響を与えることになります。

理想の二世帯住宅は争族の始まりでもある

東京近郊の閑静な住宅地に妻と2人で生活する65歳のAさん。長女、次女、長男の3人の子どもはいずれも結婚、独立しています。

Aさんの自宅敷地は約60坪ほどあり、住宅の老朽化も目立ってきたため、リタイアを機に自宅を取り壊して長女夫婦と一緒に住む二世帯住宅を建てる計画を持っていました。1階にAさん夫婦、2階に長女夫婦と子ども1人の3人が居住するプランです。

建築資金約4,000万円は2世帯で折半することとし、Aさんは退職金の一部、長女夫婦は500万円を頭金として住宅ローンを組む予定。

うらやましいような計画ですが、実はこの二世帯住宅計画には争族に発展しかねない問題があることにお気づきでしょうか。

その問題とは、Aさん夫婦が亡くなった後の遺産分割です。Aさんが亡くなっても妻が健在の間であれば、土地はAさんの妻、子ども3人で共有相続し、建物の2分の1をAさんの妻が相続することで問題ないでしょう。しかし、本当の問題はAさんの妻が亡くなった後の遺産分割です。

次女や長男が共有分割の請求をする可能性大

Aさんの妻が亡くなれば、遺産分割としては、土地、建物ともにとりあえずは子ども3人の共有相続になります。しかし、建物に居住している長女以外の次女、長男は共有相続をしていても、利用もできなければ収入を得ることもできません。そのため、いずれは次女か長男から長女に対して、共有分割の請求を起こすことになるでしょう。

これは、共有者はいつでも共有物の分割を他の共有者に対して請求できると民法に定められていることが根拠となります。この請求により、長女は土地の分割か土地の共有持ち分に見合う金銭の支払いを迫られることになるでしょう。

どちらも難しい選択であるため、兄弟であっても最悪の場合訴訟となり、土地建物を売却して金銭で清算することになるのです。そうなったら兄弟仲は最悪となり、その後断絶関係になっても不思議はありません。

二世帯住宅で子どもたちの仲を引き裂かないために

二世帯住宅の建築計画によって仲の良かった子どもたちを引き裂かないようにするためには、Aさんが実行する前に次女、長男にきちんと話をして事前に了承を得ておく必要があります。

貯金などでまとまった現金がある場合は、相続時精算課税制度を活用することにより、現金を生前贈与することで有効となる可能性もあるでしょう。子育てやマイホーム資金が必要となる頃に現金で贈与されれば長男も次女も喜びます。その代わりに長女に土地や建物を相続させることに同意させればスムーズに事が進むでしょう。

遺産相続では遺言書の作成とともに遺留分との扱いもあることから、早めに専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。